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会計イノベーション

コラム執筆者プロフィール

原尚美 氏
税理士。東京外国語大学卒業。
TACの全日本答練「財務諸表論」「法人税法」を全国1位の成績で、税理士試験に合格。直後に出産。育児と両立させるため、1日3時間だけの会計事務所からスタートし、現在は全員女性だけのスタッフ22名、一部上場企業の子会社やグローバル企業の日本子会社などをクライアントにもつ。
ミャンマーに会計サービスの会社を設立し、海外進出支援にも力をいれている。
著書に「小さな会社のための総務・経理の仕事がわかる本」「小さな起業のファイナンス」いずれもソーテック社刊。「51の質問に答えるだけですぐできる『事業計画書』のつくり方」日本実業出版社刊。「トコトンわかる株式会社のつくり方」新星出版社刊。「世界一ラクにできる確定申告」技術評論社刊。「一生食っていくための士業の営業術」中経出版など。
その他、「経理ウーマン」「デイの経営と運営」など雑誌への寄稿や、商工会議所、中小企業投資育成株式会社、日本政策金融公庫などでの、セミナー実績も多数。
原&アカウンティング・パートナーズ(原会計事務所)代表。 http://hara-tax-accounting.com/

第002回 確定申告で税金を取り戻す裏ワザ

(2014年2月)

 確定申告のシーズンです。サラリーマンにとって確定申告は、「医療費控除などで、還付金が還ってくる」というイメージでしょうか。税務署がどこにあるのかも知らない、という人も多いかもしれませんね。しかし、個人事業者にとっては、切実でタフな季節の始まりです。
 日頃は、税に無関心な人も、税金について考えるよい機会です。せっかくですから、サラリーマンが、自分でつかった経費を申告して節税できる制度についてご紹介しましょう。正式には、「給与所得者の特定支出控除」といいます。

 ところで、数年前、「自分株式会社」という言葉が、流行ったのを覚えているでしょうか?日本的な終身雇用制が崩れ、一生ひとつの会社に勤める時代ではなくなったからです。ビジネスパーソンたるもの、すべからく自分という株式会社の社長であるべき、自分の能力を会社に提供し、その代金として給料をもらっているのだという意識を持とう、という考え方です。
 これはさらに、自分株式会社をつくって「独立し」、勤務している会社と契約を結ぼうという動きにまで発展しました。会社設立の最大の魅力は、なんといっても、「節税」です。まず、自分の飲み食いした飲食費や携帯電話料、車の車検代、または妻への役員報酬など、いろいろな支出を経費にすることができます。会社から強制的に天引きされていた「税金」も、その分だけ安くなる・・というわけです。
 しかしその後、自分株式会社は、普及しませんでした。会社は能力がない、という理由では、従業員を解雇することができません。大半のサラリーマンが、「雇用者がもっている既得権」を自ら手放すというリスクを、選択しなかったからです。

 サラリーマンの皆さんが、納税に対していだく不満は、次の2つに集約されるのではないでしょうか。1つは、所得がガラス張りであること、2つ目は毎月、税金を強制的に徴収されること。

 しかし、税金の捕捉と徴収は、国の発展の根幹にかかわる問題です。国家の収入の原資は、「税金」しかないからです。税金を確実に徴収できなければ、国の力は弱まるばかり。皆さんの会社に置き換えて考えれば、自明のことです。どんなに営業部隊が売上をあげても、代金を回収する仕組みが機能しなければ、あっという間に会社は資金難に陥ってしまいます。
日本が採用している「源泉徴収制度」、とくに「年末調整制度」は、税収を確保するだけでなく、徴税コストを民間に負担させるという理想的な、税金の回収制度なのです。

 この「年末調整制度」、他の国では決して、当たり前ではありません。たとえば、アジア最後のフロンティアと言われているミャンマーですが、かの国はそもそも税金の徴収制度が確立されていません。源泉徴収という考え方事態が存在しないので、サラリーマンは、額面どおりに給料をもらいますが、その後どこかに申告している様子は見受けられません(笑)。結果、ほとんどの人がまともに税金を払わない、という「脱税天国」に陥っているのです。

 アメリカには、源泉徴収制度はありますが、年末調整制度は存在しません。アメリカのサラリーマンは、自己責任で確定申告を行わなければならないのです。そこで、どうすれば少しでも税金が安くなるか、知恵を絞ることになります。たとえば、寄付社会の国ですから、寄付は年内にするとか、または別居している夫婦は、年内に離婚する(笑)などです。アメリカにはジョイント申告という制度があり、夫婦なのに別々に申告すると、独身者より不利になってしまうからです。

   ビジネスパーソンたるもの、税に無関心でいいはずがありません。せっかくですから、「給与所得者の特定支出控除」を利用して、確定申告にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
 では、「給与所得者の特定支出控除」について簡単にご説明しましょう。
 サラリーマンは、元もと給料の全額に税金がかかっていないのをご存じですか?手元にある源泉徴収票をご確認ください。サラリーマンの必要経費として、決して少なくない金額が、給料からマイナスされているのがわかります。これを、「給与所得控除」といい、給与所得控除をマイナスした後の金額が課税対象となっているのです。
この「給与所得控除額」を超えて経費を使った場合にかぎり、その超えた部分も所得からマイナスしていいよ、というのが、「給与所得者の特定支出控除」の仕組みです。

【給与所得控除額の計算方法】
  

   「へー、そんなにいい制度、周りで聞かないなー」、という方も多いのではないでしょうか。それもそのはず。これまで、この制度を使うサラリーマンはほとんどいなかったからです。理由は、給与所得控除額以上に、経費を使うのは大変だし、そもそも経費として認められる領収書の種類が、とても少なかったからです。
 しかし今年、この特定支出控除が改正され、がぜん使いやすくなりました。改正点は、次の2つです。
① 給与所得控除の半分(MAX125万円)を超えれば、使えるようになった!
② 経費として認められる支出が、画期的に増えた!

【経費として認められる支出】
  

 どうです?確定申告なんて、サラリーマンの自分には関係ないと思っていた皆さん。
本代や研修費用などを見直すと、給与所得控除の半分を超えているかもしれません。
 ただし、特定支出控除を受けるためには、領収書を保存しておくことと、これらの支出が「職務に関連している」証明書を会社から発行してもらう必要があります。

 確定申告をすれば、これまで無関心だった、様々な社会の矛盾点にも気が付きます。まずは、国家の収入源である「税」を自分で計算してみることで、日本という国の「経営」に積極的に参画してみませんか?

※本コラムは執筆時点で公となっている情報に基づいてコラムニストが執筆したものであり、コラムニストの意志を尊重し原文のまま掲載しています。
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