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会計イノベーション

コラム執筆者プロフィール

原尚美 氏
税理士。東京外国語大学卒業。
TACの全日本答練「財務諸表論」「法人税法」を全国1位の成績で、税理士試験に合格。直後に出産。育児と両立させるため、1日3時間だけの会計事務所からスタートし、現在は全員女性だけのスタッフ22名、一部上場企業の子会社やグローバル企業の日本子会社などをクライアントにもつ。
ミャンマーに会計サービスの会社を設立し、海外進出支援にも力をいれている。
著書に「小さな会社のための総務・経理の仕事がわかる本」「小さな起業のファイナンス」いずれもソーテック社刊。「51の質問に答えるだけですぐできる『事業計画書』のつくり方」日本実業出版社刊。「トコトンわかる株式会社のつくり方」新星出版社刊。「世界一ラクにできる確定申告」技術評論社刊。「一生食っていくための士業の営業術」中経出版など。
その他、「経理ウーマン」「デイの経営と運営」など雑誌への寄稿や、商工会議所、中小企業投資育成株式会社、日本政策金融公庫などでの、セミナー実績も多数。
原&アカウンティング・パートナーズ(原会計事務所)代表。 http://hara-tax-accounting.com/

第005回 ところ変われば、税金も変わる

( 2014年5月)


今年1月、ヤンゴンにオフィスを開設しました。
なんでミャンマー?とはよく聞かれますが、日本もアジアの一員として捉えた瞬間、少子高齢化なんてどこの国の話?というぐらい、マーケットが無限に広がるからです。
見えている人にも、見えていない人にも、はたまた見てみぬふりをしている人にも、必ず訪れる少子高齢化の行き詰まり。
現状維持を図るため、日々、爪に火をともすような努力の必要な日本と、明日は必ず今日よりよくなるという希望に満ちあふれたアジアを比べた時、アジアに進出しない理由が見つかりませんでした。

ラッキーなことに、会計は世界共通言語。
多少、英語が話せなくても、ミャンマー語がチンプンカンプンでも、会計の仕事なら何とかなるだろうと思い、どうせならゼロからのスタートダッシュが図れるミャンマーに進出したというわけです。

もちろん、税理士というドメスティックな資格が海外でそのまま使えるわけではありません。しかし、海外とはいえ、主なクライアントは日本企業ですから、日本で獲得している信用が、そのまま海外でも通用するのは、ありがたい話です。
逆にいえば、日本でうまくいかない人は、海外での成功など夢のまた夢。海外に出れば何とかなる、日本ブランドなら売れるだろう、という考えが通用するほど、アジアは甘くはありません。

ところでミャンマーには、まだ上場マーケットが存在しません。なので彼の国の会計士と、日本の公認会計士の仕事は全くちがいます。
ミャンマーでは、全ての会社が、会計士の「監査」を受けないと、税務申告ができません。
つまり、日本の税理士や会計士が、ミャンマーで会計サービスを提供するためには、現地の会計士との提携が、必須なのです。
私も、数いるミャンマー人会計士の中から、ベストパートナーを選んで、事務所をスタートさせました。

ミャンマーでは、すべての会社が3月決算。申告期限は6月です。
これはすごい!日本の確定申告どころではない、忙しさです。

最初は、さすがにミャンマーの税制は、手に負えないだろうと思っていたのですが、これも基本的な設計は日本とかなり似ているから不思議です。
個人所得税の基礎控除あり、扶養控除あり。税率構造が累進課税なのも同じです。
ミャンマーは、敬虔な仏教国なので、寄付控除もちゃーんとあります。
面白いのは、配偶者控除。
最近、我が日本でも、専業主婦の配偶者控除を廃止しようという動きがありますが、彼の国では「ハズバンド控除」が一般的というから、笑ってしまいました(笑)。ご存知のとおり、東南アジアのオトコは、まー、働かない、働かない。

税制は、その国の文化や商習慣と密接な関係にあるんだなー、と妙なところで感心することしきりです。

商習慣といえば、この国の人は銀行を全く信用していません。自分の国の政府や銀行を信用できないところに、ミャンマーという国が辿ってきて歴史の苦しみを垣間見る思いがしますが、ともかく、銀行に振り込んだり、預け入れなどしたくないので、すべての支払いが、「いつでもどこでも、ニコニコ現金払い」。

その上、日本のようないわゆる信用取引も、ほとんどありません。
お金も貰わず、商品を引き渡すなんて、とんでもない。最初に、代金のうち半分を現金で払うのが常識です。
家賃は、1年契約が当たり前で、契約と同時に、1年分の家賃を支払います。日本のように、やれ敷金だの礼金だのがない代わりに、途中で契約を解除しても、払った家賃は戻ってきません。
1年ごとに契約を更新するので、日本のバブル時代のように、物価も家賃も高騰しているミャンマーでは、2年目に家賃が2倍になっちゃった、という話もザラに聞きます。 値上げが嫌で3年契約する人もいますが、その場合は3年分の家賃を、一括で支払わなければなりません。

この商習慣が、税制に及ぼす影響はというと、これがまさかの「現金主義」(笑)
税理士になって20年、発生主義が見にしみついている身体としては、気持ち悪くて仕方がありません。

ところ変われば、税金も変わる。日本にいれば当たり前だったことが、当たり前ではなくなることの愉快さを楽しんでいます。

よく、言われることですが、海外にでてあらためて日本の良さも感じています。
なんと言っても、日本製品の気配りには、感激するばかり。特にメイドインジャパンの会計ソフトの使いやすさについては、またの機会に触れることにしましょう!



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