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会計イノベーション

コラム執筆者プロフィール

原尚美 氏
税理士。東京外国語大学卒業。
TACの全日本答練「財務諸表論」「法人税法」を全国1位の成績で、税理士試験に合格。直後に出産。育児と両立させるため、1日3時間だけの会計事務所からスタートし、現在は全員女性だけのスタッフ22名、一部上場企業の子会社やグローバル企業の日本子会社などをクライアントにもつ。
ミャンマーに会計サービスの会社を設立し、海外進出支援にも力をいれている。
著書に「小さな会社のための総務・経理の仕事がわかる本」「小さな起業のファイナンス」いずれもソーテック社刊。「51の質問に答えるだけですぐできる『事業計画書』のつくり方」日本実業出版社刊。「トコトンわかる株式会社のつくり方」新星出版社刊。「世界一ラクにできる確定申告」技術評論社刊。「一生食っていくための士業の営業術」中経出版など。
その他、「経理ウーマン」「デイの経営と運営」など雑誌への寄稿や、商工会議所、中小企業投資育成株式会社、日本政策金融公庫などでの、セミナー実績も多数。
原&アカウンティング・パートナーズ(原会計事務所)代表。 http://hara-tax-accounting.com/

第007回 会社が成長し続ける理由

( 2014年7月)

 「自分は何のために生まれてきたのだろう」

 思春期の一時期、こんな悩みを抱いた経験のある人は多いのではないでしょうか。
「自分は生きる価値のないつまらない人間なのではないかと・・」
 しかし、ミャンマーのような発展途上国で、これはとても贅沢な悩みです。なかでも貧困層と言われる子供たちは、今でもエイズや臓器売買のリスクと隣り合わせに暮らしているからです。彼らは「生き残るために」、生きなくてはならないのです。
 だからと言って、日本の子供たちの方がミャンマーの子供たちより幸せだというつもりもありません。経済が発達し、それにともなって文化レベルが進化していくと、人々が解決しなければならない悩みや課題は変化していくからです。

 会社も一緒です。「わが社は何のために存在しているのか」
これは、インターネットが発達し、情報革命がすすんだ資本主義経済圏で生き残るために、避けては通れないテーマです。ミャンマーで会計サービスの会社を始めて興味深いのは、タイムマシンに乗ったかのように、マーケティングの進化の過程を目にすることです。

 今、ミャンマーでもっとも必要なキーファクターは、「人脈」です。
 ミャンマーに進出しようと思ったら、まずできるだけ力をもっているパートナー探しから始まります。誰とネットワークをもっているのか、有力な政治家を知っているか、軍部とのコネクションはあるか、富裕層と言われる人たちと交友があるか、どれだけ力のあるパートナーを見つけるか、それが現状におけるミャンマービジネス成功の鍵と言って、過言ではありません。
 しかし、経済が発展してくると、「コネクション」だけでは、生き残ることはできなくなります。顧客は、会社の「商品力」に価値を見出すようになるからです。商品のスペック、性能、品質など、いかに他社より優れた商品を提供できるかが問われるようになります。「大物」とのコネクションにあぐらをかき、すぐれた商品やサービスを提供できない会社は、生き残ることはできません。
 このフェイズで、もっとも成功した会社は、なんと言ってもモノづくり大国、日本の企業たちでしょう。トヨタや松下やソニーや東芝など、ド・イン・ジャパンの商品が世界を席巻しました。

 しかし、悲しいことに、いまASEANの街角で日本製品の看板は、ほとんど見かけなくなってしまいました。あるのは、韓国のS社ばかり。理由はいくつか考えられますが、日本人は顧客目線での商品作りが苦手だからではないでしょうか。日本企業は、技術を追求し、自分たちが売りたいものをつくる、良いものさえつくれば、売れると信じて、商品に付加価値をつけることに努力してきました。
 けれど、の付加価値は顧客が求めるものから、どんどん遠ざかっていったのです。

 情報社会が進化し、市場に「良いモノ」が溢れると、人々は「欲しいモノ」と、「必要なモノ」しか買わなくなります。
 不要な機能、複雑なボタンは要らない。アップルのスティーブ・ジョブズは、「ワン・クリック」にこだわりました。ボタンを2回も3回も押さなければ、欲しい情報に届かないような商品は、誰も欲しがらないと。
 日本企業は、そこに気づくのが遅かったのです。

 そして今、私たちのマーケットは次のフェイズに突入しています。

 商品の品質が良いのは当たり前。
 顧客目線で考えるのは当たり前。

 このフェイズで生き残るために必要なのは、会社の思想=コンセプトです。
「あなたの会社は、この社会に存在する価値ある会社なのか」

 このエッセイの読者の方で、アマゾンを利用したことのない人は、どのくらいいるでしょうか?
 「インターネット上で、商品を売る」。Googleやアップルと比べても、アマゾンのビジネスモデルは、決して特別なものではありません。似たようなネット販売の会社は、他にいくらでもあります。なのに、何故アマゾンだけが、人々から支持され、成長し続けるのでしょうか。
 その秘密は、アマゾンの利益率の低さにあります。なんとアマゾンの営業利益率は、1%前後しかありません。マイクロソフトやアップルの利益率は30%前後、日本の小売業の平均経常利益率は4%です。皆さんの会社の利益率と比べても、これがいかに低い数字かわかるはずです。
 経営者なら誰でも、利益をあげたいのは当たり前です。同じ100万円を売ったら、利益は1万円より5万円の方がいいに決まっています。しかしアマゾンは違います。
 アマゾンの思想(コンセプト)は、「顧客第一主義」そして、「Everything store」だからです。
 顧客が望むなら、どんなに人気のない商品でも、世界中どこにでも届ける。顧客のためなら、どこよりも安く、ある時は赤字でも平気で利幅の薄い商品を揃える。売れ筋商品だとわかっていても、値下げをする。通常配達なら配達料も無料。商品は数日以内に届きます。ミャンマーから注文した1冊の本も、配送料が1,200円かかりましたが、お馴染のパッケージを携えた配達員がオフィスのチャイムを鳴らしました!!
 「顧客第一主義」
 ぶれることのないアマゾンの思想、そこに人々が共感し、アマゾンという会社が存在する理由があるのです。

 あなたの会社の「思想」は何ですか?

 経理は、会社の中枢とも言える経営の数字に毎日触れる仕事です。この機会に、経営者目線であなたの会社が成長し続ける理由を考えてみてはいかがでしょうか?


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