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会計イノベーション

コラム執筆者プロフィール

原尚美 氏
税理士。東京外国語大学卒業。
TACの全日本答練「財務諸表論」「法人税法」を全国1位の成績で、税理士試験に合格。直後に出産。育児と両立させるため、1日3時間だけの会計事務所からスタートし、現在は全員女性だけのスタッフ22名、一部上場企業の子会社やグローバル企業の日本子会社などをクライアントにもつ。
ミャンマーに会計サービスの会社を設立し、海外進出支援にも力をいれている。
著書に「小さな会社のための総務・経理の仕事がわかる本」「小さな起業のファイナンス」いずれもソーテック社刊。「51の質問に答えるだけですぐできる『事業計画書』のつくり方」日本実業出版社刊。「トコトンわかる株式会社のつくり方」新星出版社刊。「世界一ラクにできる確定申告」技術評論社刊。「一生食っていくための士業の営業術」中経出版など。
その他、「経理ウーマン」「デイの経営と運営」など雑誌への寄稿や、商工会議所、中小企業投資育成株式会社、日本政策金融公庫などでの、セミナー実績も多数。
原&アカウンティング・パートナーズ(原会計事務所)代表。 http://hara-tax-accounting.com/

第014回 消費税の軽減税率が導入されます!

(2016年2月)

 ついに、平成29年4月1日から消費税の軽減税率が導入されます。

 消費税の軽減税率は、消費税のもつ逆進性を考慮したものです。高所得者も、低所得者も、生活必需品にかけるお金は変わらないのだから、収入に占める消費税の負担割合は、低所得者ほど高くなるだろうという考え方です。
 そこでせめて、生活必需品には軽減税率を適用しましょうというわけで、食料品と新聞(週2回以上、定期的に発行されるものに限る)が、その対象に選ばれました。
 しかし、一口に食料品といっても、お米やみそなど普段の食卓になくてはならないものから、10万円のワインや1万円の高級牛肉まで、その種類は様々。いや、お米だけみても、スーパーの特売で売っている10キロ2000円程度のものから、20万円近くのブランド米まで、そのランクは千差万別です。
 高所得者が、購入する高級食材にまで、同じように軽減税率が適用されるのは、本末転倒、軽減税率が導入されると、さらに不公平感が助長されるという意見もありました。
 しかし、食品のうちどれかを8%にして、別の食品を10%にするという区分は、政治的な駆け引きが働いて、収拾がつかなくなること、さらに課税現場の混乱を考えて、食料品全部に軽減税率8%が適用されることになったようです。

 今回、発表(平成27年12月発表税制改正大綱)の軽減税率の内容は、下記のとおりです。

  

 「飲食料品」については、「食品表示法に規定する食品の譲渡をいい、酒税法に規定する酒類は除く。また外食サービスも除く。」と定義されています。いわゆる食料品はすべて、軽減税率の対象だけれど、お酒と外食は10%のままですよ、というわけです。

   そのうえで、「外食」については、次のように定義されています。
 「食品衛生上の飲食店営業など、その場で飲食させるサービスの提供(=食事の提供)を行う事業者が、テーブルや椅子などその場で飲食させるための設備(=飲食設備)を設置した場所で行う「食事の提供」や、お客様の注文に応じて指定された場所でする調理(=ケータリングや出張料理)」
 簡単にいうと、お店の中で食べれば10%だけど、テイクアウトで持ち帰れば、8%ということになります。
 たとえば、吉野家の牛丼を店内で食べれば、改正後は10%が課税されますが、これをテイクアウトで持ち帰り、自宅や職場で食べたら、「飲食設備を設置した場所で行う食事の提供」には当たらないので、8%が適用されるというわけです。
 うーむ。
 では最近はやりの、コンビニエンスストアのイート・インは、どうなるのでしょうか?吉野家の例にならうと、外食として10%が課税されそうですが、この場合は8%の軽減税率が課税されます。なぜなら、最初から持ち帰りが可能な状態で販売されるものは、「その場で飲食させるサービスの提供(=食事の提供)」には該当しないから。
 いずれにせよ、今度はコンビニやファーストフード店のレジを預かる店員さんのトレーニングが必要になりそうですね。

  今回の消費税法では、もう一つ大きな改正が決まりました。軽減税率の導入にともなって、ついにインボイス方式が導入されることになったのです。次回は、インボイス方式について説明しましょう。

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